アパート経営のリスク、見て見ぬふりで大丈夫? 不安の正体と、京阪神で“避けられる/避けられない”を分ける基準
■はじめに
検索で「アパート経営 やめておいた方がいい」が目に入ると、内容を読む前から心が重くなります。
ただ、その言葉が増えた理由は、需要が消えたからではありません。過去の不正融資事件や、サブリースを巡る訴訟問題が積み重なり、投資家側の心理的な壁が厚くなった。そこに、低金利の長期化で参入が増え、十分な知識や事業意識を持たないまま始めてしまった失敗例が可視化された。結果として、検索行動そのものが警戒モードに寄った、という流れです。
京阪神、とくに大阪は、万博や夢洲IR整備といった外部環境の変化が重なり、地価や需要の見立てが難しくなっています。ブームや節税の言葉だけで踏み出すと、失敗リスクを自分で増やすことになります。
このコラムでは、やめておいた方がいいと言われる失敗の構造を解き明かし、京阪神の市場特性に沿った判断の軸を整理します。
【ポイント】
-
なぜ不安が増えたのか
- 京阪神の動きは何が複雑にしているのか
-
失敗パターンはどこで決まるのか
- 数字で確認するなら何を見るのか
- 準備段階で落とせるチェックは何か
■やめておいた方がいいと言われる理由は、投資そのものではなく判断の前提にある
アパート経営への批判は、特定の失敗事例から生まれています。共通点ははっきりしていて、表面利回りだけを追い、実質のキャッシュフローや出口戦略を度外視したケースです。
結局、儲からないという結論に至るときは、次の三つがセットで起きています。
- 事業計画が甘い
- 物件所在地の賃貸需要を見誤る
- 金融リテラシーが追いつかない
なぜ重要?
この三つは、どれか一つではなく、連鎖して経営継続を難しくします。帳簿の損益がマイナスでなくても、資金繰りが詰まれば終わります。
ポイント!
不安の正体は、相場の上下よりも、判断と計画の穴が生む連鎖です。
■京阪神の市場は一枚岩ではない。大阪・京都・神戸は需要の形が違う
京阪神は同じ関西圏でも、都市の作りと賃貸需要の構造が異なります。
大阪は、大阪市中心部への人口集中が加速する一方で、周辺衛星都市や郊外では二極化が進行しています。エリア選定が成否を分ける、という前提が強い。
京都は、単身世帯の割合が高い一方で、景観条例や高さ制限が厳しく、新規のアパート建築が制限されるため、既存物件の希少性が高くなりやすい。
神戸は、六甲山系と海に挟まれた地理的制約があり、平地部での開発余地が限られます。都心回帰が強い一方で、郊外の丘陵地では高齢化と人口減少が深刻化し、駅近かつ平地という条件が厳格に求められます。

なぜ重要?
同じ指標、同じ物件スペックでも、都市ごとの需要構造が違えば、空室の出方も家賃の下がり方も変わります。
ポイント!
京阪神は、地域名ではなく都市特性で読み分ける市場です。
■万博と夢洲IRは、地価と需要の動きを複雑にした
2025年の大阪・関西万博は、大阪ベイエリアを中心に大規模なインフラ整備を促進しました。夢洲周辺やアクセスルートの不動産価値は上昇傾向にあるとされます。
さらに、万博閉幕後の跡地利用として計画される統合型リゾートは、国際会議場、ホテル、商業施設を含み、数万人規模の雇用創出が見込まれるとされています。
エリアの見立てとして、資料上では次の整理が示されています。
・此花区、港区
インフラ整備と雇用創出が想定され、地価上昇の可能性が高い一方で利回りは低下傾向
・北区、中央区
ビジネスと観光需要の集積が進み、短期賃貸需要も含めた安定的な収益が見込まれる整理
・西区、福島区
若年層と単身世帯の流入加速、実需と投資需要の両立、高い流動性
・夢洲周辺
観光と国際ビジネスの拠点化、将来的な資産価値上昇が期待される整理
■大阪市24区は、将来推計で差が出る。需要が残る場所と、苦戦しやすい場所が分かれる
アパート経営の成否は、将来にわたる入居需要の維持で決まります。大阪市全体では人口減少が予測される一方で、区単位で格差が存在する、と整理されています。資料では、2015年から2045年予測の区分として、次の分類が示されています。
増加予測区
北区、中央区、西区、浪速区、福島区、天王寺区、淀川区、都島区、東成区
長期保有による安定収益、出口価格の維持という方向性が示されています。
減少予測区
生野区、平野区、住吉区、西成区、港区、阿倍野区の一部
高利回り物件での早期回収、管理の徹底という方向性が示されています。
大阪市の2045年頃の人口構造について、65歳以上が約34.4%、生産年齢人口が約57.5%に維持される推計が示され、単身世帯の増加が続くことを示唆するとされています。北区、中央区、西区といった利便性の高いエリアでは、ワンルームや1Kの需要が相対的に底堅い、という判断が示されています。

(画像:大阪市24区 増加予測区と減少予測区の一覧図)
なぜ重要?
需要が残る区では、空室が出ても戻す難易度が違います。逆に減少局面の区は、運営が雑に
なるほどリスクが増幅します。
ポイント!
大阪は、区の選び方が経営難易度を左右します。
■不安解消の核
①3つのよくある誤解
誤解1 利回りが高ければ安心
表面利回りは満室想定家賃を前提にしており、運営経費が含まれていません。キャッシュが残るかどうかは別の話です。
誤解2 新築の満室家賃は長く続く
新築時の満室家賃が長期間続く前提のシミュレーションは現実的ではない、という指摘が資料にあります。築年数の経過で家賃は下落し、空室期間も長期化します。
誤解3 サブリースなら空室は怖くない
賃料保証は見直し条項が入り、空室が増えると減額要求が起き得ます。免責期間や手数料、解約の難しさも含め、空室リスクが消えるのではなく形が変わる、と理解する必要があります。
なぜ重要?
誤解は、対策を遅らせます。遅れた対策は、そのまま資金繰りの不安に変わります。
ポイント!
安心の根拠を、言葉ではなく契約と数字で置き換えます。
②5つの不安が起きる原因
- 空室率と家賃下落を過小評価する
- 修繕積立金が計画に入っていない
- 運営諸経費を低く見積もる
- デッドクロスを想定しない
- サブリースの条件を読み切らない
とくに運営諸経費について、資料では管理委託料、共用部の水道光熱費、固定資産税、火災保険料などを賃料収入の約15%から20%見込む必要がある、とされています。ここを薄くすると、見た目のキャッシュフローは良く見えますが、実態は逆に苦しくなります。

なぜ重要?
不安の原因はバラバラではなく連鎖で起きます。ひとつ直すと連鎖が止まります。
ポイント!
原因を構造で捉えると、打ち手の順番が決まります。
③先に結論 こうすれば回避できる
回避の原則は、見た目の利回りではなく、事業として回る数字で見ることです。
そのうえで、京阪神、とくに大阪では、区ごとの将来性と出口の現実性を同時に置きます。
理由は単純で、万博やIRの話題は追い風になっても、買値が高いと出口の選択肢が狭くなるからです。調整局面があり得るなら、なおさらです。
具体的には、増加予測区のように需要が維持されやすい整理のエリアでは、長期で安定収益と出口価格の維持を狙う方針が整合しやすい。一方で減少予測区の整理に近いエリアでは、管理の徹底と早期回収という発想が必要になる、と資料は方向性を示しています。
なぜ重要?
同じ物件でも、持ち方が違うと成功条件が変わります。
ポイント!
買う前に、持ち方と売り方をセットで決めます。
■科学的な投資判断のための指標(KPI)は、ここだけ見ればいい
表面利回りより、キャッシュフローの質を測る指標に寄せます。資料で示されている指標は次の通りです。
① 実質利回り
年間総収入から年間運営諸経費を引き、物件価格と購入諸費用で割る。運営の重さを織り込むための基本です。
なぜ重要?
運営経費の見落としが、そのまま赤字転落の起点になるからです。
ポイント:実質利回りで見て初めて、物件の体力が見えます。
② DSCR
純収益が年間返済額に対してどれだけ余裕があるか。資料では最低1.2以上、理想は1.5以上の確保が示されています。
なぜ重要?
1.0を割ると、空室が出た瞬間に自己資金で返済を補う状態になります。
ポイント:返済の余裕は、安眠の余裕です。
③ CCRとレバレッジ
年間キャッシュフローを投入自己資金で割る指標です。物件利回りと借入金利の差が縮むと、ネガティブ・レバレッジのリスクが出る、と資料は整理しています。
なぜ重要?
金利上昇は、変動金利の投資家にとって収益を直接圧迫します。
ポイント:レバレッジは味方にも敵にもなります。

■やめておいた方がいいと言われないためのチェックリスト
立地とターゲットの整合性
・需要が特定の大学や工場、企業に依存していないか
・撤退や移転が起きた場合の代替需要があるか
・人口流入と流出の推移を見たか
・大阪市内なら、増加予測区の整理に当てはまるか
・近隣に似た間取りやグレードの供給が過剰になっていないか
・ポータルサイト等で空室情報や成約家賃の推移を自分で確認したか
建物と管理の品質
・無料Wi-Fi、宅配ボックス、オートロック等、入居者が求める設備が過不足なく入っているか
・清掃や美観の維持が回る管理体制か
・クレーム対応のスピード、客付けの実績があるか
・中古の場合、過去の修繕履歴が明確で、将来の大規模修繕時期と費用が読めるか
財務の安全性
・自己資金比率を用意できているか
・デッドクロスを想定し、償却終了後の納税とキャッシュフローを確認したか
・10年後、20年後に誰にいくらで売るか、出口の像を持っているか
なぜ重要?
失敗は準備段階の確認不足に集約される、というのが資料の結論です。
ポイント!
チェックは、買う直前ではなく、検討初期に終わらせます。
■運営で差がつくのは、入居者満足と修繕の扱い方
購入後の運営が本質で、入居者の満足度を上げ、長期入居を促すことが、募集費用を抑え実質利回りを押し上げる最大の手段だと整理されています。
入居者満足度と退去防止
・共用部の電球切れ放置やゴミ置き場の荒れは、入居者に軽んじられている感覚を与え、質の低い入居者を呼ぶ原因になる
・エアコン故障、水漏れ、騒音など生活に直結するトラブル対応が遅いほど、優良入居者の退去リスクが高まる
・審査を緩くして空室を埋めると、家賃滞納や夜逃げ、孤独死など大きな損失につながるリスクがある
大規模修繕とコストコントロール
・修繕費は突発事故ではなく予測可能な経費として扱う
・漏水や外壁のひび割れを早期に見つけ、被害拡大前に対処する
・見積もりは管理会社経由だけに寄せず、相見積もりでコストを抑えられる場合が多い
・火災保険が適用対象になる場合があるため、加入と請求の整理が修繕負担の軽減につながる
なぜ重要?
運営品質は、稼働率と家賃の維持に直結します。
ポイント!
運営で稼ぐのではなく、運営で守る。守れた分だけ残ります。
■まとめ
アパート経営のリスクで大事なのは、「怖い検索結果を消すこと」ではありません。
怖い情報が示しているのは、たいてい同じ失敗の型です。表面利回りだけで判断し、需要の読み違いと資金計画の甘さが連鎖し、帳簿ではなく資金繰りが先に崩れる。これが「やめておいた方がいい」と言われる正体です。
京阪神、とくに大阪は万博後・IR開業前で、期待と調整の両方が起き得る市場です。だからこそ、熱量ではなく基準で判断する。
都市特性と区の将来性、KPI(実質利回り・DSCR・CCR)、そして検討初期に終わらせるチェックリストまで落とし込める人は、リスクを「恐怖」ではなく「確認事項」に変えられます。
不動産は投資ではなく経営です。だからこそ、判断の順番を守れるかどうかが、否定的検索に振り回されず、最初の一歩を妥当にする唯一の方法です。
エスリードアパートメント【REGIES】のご紹介

私たちエスリードアパートメントは、関西エリアで新築一棟アパートブランド「REGIES(レジエス)」 を展開しています。
本コラムでは、新築・中古の比較や関西エリアの投資環境を整理してまいりましたが、関西で新築の一棟アパートを検討する方に、当社ブランド REGIES がどのような価値を提供できるのかをご紹介させていただきます。
REGIES物件の特徴|高収益を支える3つの仕組み
関西の優良エリアに特化

REGIESは、関西エリアの賃貸需要が高い地域に絞って企画しています。大阪を中心とし、兵庫・京都なども含めた需要が高く、資産価値の高いエリアを選定しております。
高入居率を支えるデザイナーズ仕様

外観は過度に派手なデザインではなく、シンプルで誰にとっても受け入れられやすい設計を採用しています。共用部や室内の仕上げも統一感のある落ち着いたデザインとし、年代を問わず選ばれやすい点が特徴です。
単身者向け賃貸では「無難で使いやすい」「清潔感がある」物件ほど入居が早い傾向があるため、長期的に高い入居率を維持しやすい仕様となっています。
狭小地を有効活用したコンパクト設計

REGIESでは、関西エリアに多い“狭小地”を前提に、収益性をしっかり確保できるコンパクト設計を採用しています。土地の形状や広さに合わせて無駄を省きつつ、単身者が快適に暮らせる間取りと設備を確保することで、限られた敷地でも安定した稼働を実現できる点が特徴です。
REGIESが選ばれる理由|エスリードグループの一貫体制が支える3つの安心
REGIESが多くの方に選ばれている背景には、エスリードグループが持つ「土地仕入れから設計・施工、販売、管理までを一貫して担う体制」があります。
この一貫体制により、アパート経営において重視される“立地の精度”と“品質の安定性”、そして“長期運用の安心感”を高いレベルでご提供いたします。
土地仕入れ力

エスリードグループが長年の分譲マンション事業で築いたネットワークを活かし、関西の賃貸需要の強いエリアを安定的に仕入れられることが強みです。
適切な立地を選べるからこそ、長期的に安定した稼働率につながります。
一貫体制が生む安心と信頼

土地選定から設計・施工、引き渡し後の管理までをグループ内で行うため、品質にブレがなく、運用開始後も安心して任せられる体制があります。
30年以上・62,000戸超の供給実績は、投資家だけでなく金融機関からの信頼にもつながっています。
確かな品質を保証する外部評価

REGIESでは、耐震等級3・劣化対策等級3・住宅性能評価の取得など、長期保有を前提にした基本性能を重視しています。
将来の修繕リスクを抑えやすく、入居者から選ばれ続ける物件づくりを行っている点も、大きな安心材料です。
新築1棟アパートをご検討中の方へ
すでに具体的な物件を探している方も、「まずは情報収集から」という方も、どなたでもご利用いただけます。投資判断に役立つサービスをまとめましたので、ぜひお役立てください!
「REGIES」新着物件通知(最新情報をメールでお届け)
人気の投資用1棟アパート物件は販売開始後すぐに完売するケースも多く、「早く知っておく」ことが重要です。
DL資料4点セット(物件比較に必要な情報をまとめて入手)
物件選びに必要な情報をまとめた「DL資料4点セット」を無料でご用意しています。
無料相談(あなたに合った物件をご提案)
▶ 無料相談を申し込む
おわりに
本コラムが、アパート経営における「判断のむずかしさ」を少しでも整理するきっかけになれば嬉しく思います。新築・中古の違いだけでなく、エリア特性や融資条件、運用の安定性など、検討すべき要素は多く、一人で比較するのは大変です。
特に大阪エリアは区による特徴差が大きく、「どこを選ぶか」で成果に大きな差が出るエリアでもあります。物件の仕様や賃料設定など、細かなポイントも踏まえながら検討することで、投資の納得度は大きく変わります。
もし迷われる点があれば、最新物件情報のチェックや無料相談もご活用いただきながら、ご自身に合った最適な物件選びを進めてみてください。